4ヶ月分の感動は、伝わらなかった
3月末に会社を辞めて、4ヶ月。
仕事はパソコンで完結するし、育児もある。
したがって家族以外と喋る機会が、激減した。
だから人に会う機会があれば、
いま自分がやっていることを聞いて欲しくなる。
聞かれてもないのに。
先日は、テレビ業界の方と2時間近く。
画面も見せた。自分で作った編集ソフト。
被写体の名前を押すと、
僕が「これはいい」と思った素材が83個、ぶわっと出てくる。
だけど、
反応が良かったのは、経費と帳簿の話だった。
「自動でやってくれますよ」
「マジで?」
身を乗り出してくれる。
そりゃそうだ。楽になるから。
でも、本当に驚いて欲しいのはそこじゃない。
一番一生懸命話した、編集判断をログとして貯める話。
そっちの反応はというと、、、
「それをする意味、何なの?」
「一回全部自分で見てるんだったら、全然早くないじゃん」
その日の夕方、帰りながら思いのほか凹んでた。
伝わらなかった。
理解されない。
軽く自信をなくした。
伝える仕事をしてたのに。
入り口は効率化でいい
「相手の言葉に翻訳しないとAIの価値は伝わらない。
そこを超えていかないと、AIは厳しいと思ってる人の心は動かない」
これはAIとか、そういう話じゃなくて、もっと本質的な話。
自分は「効率化」を前面にAIを語ることが嫌いだ。
何か失うものの方が多い気がして。
手帳に書いてた予定を、
Googleカレンダーに取って代わられることで、
僕は「書いて覚える」という文化を一つ捨てた。
それはなんか嫌なんだよな。
自分の見えない価値や判断を資産としてAIに渡す。
それによって自分自身をアップデートする。
これがテレビ局を辞めて、真っ先に自分が取り組んだこと。
この4ヶ月映像の仕事をほとんど断ってでも、時間をかけたこと。
効率化だけで、話が終わって欲しくない。
でも、良さを知ってもらうのが目的だったら、
「一発でできます」
を見せた方が、はるかにコストは低い。
自分の理想を語ったところで、
「吹き込んでる時間があったら、編集した方が良くない? 」
「一回全部自分で見てるんだったら、全然早くないじゃん」
こうなるのは当たり前のことだった。
アナログな会話が結局大事ですよ
人の話を聞くのは、12年やってきた仕事だ。
取材のときは、いまでも聞ける。
でも自分の話をしているときは、
相手の声は実はほとんど聞いていないのだ。
喋りたいことを喋っていると、相手の言葉が耳を素通りする。
僕は「編集判断のスキル化」の価値をずっと言い続けていた。
これはAIだけでは再現できない。
ディレクター一人一人の思考や価値が乗り移る素晴らしいものだと。
でもそれを相手の言葉に翻訳する術を持っていなかった。
自宅でAIばっかり触っていても、
例え情報や効率化に感動を覚えても、
誰かに伝える
この価値を決して忘れてはならないとおもった。
▼ゲスト
青野さん(株式会社Benten/元Google)
会話ログ・コミュニケーションログを活かすAIの会社をやっています。青野さんへのお仕事のご相談はこちら
▼話している人
内藤賢志郎(ないとう・けんしろう)
福岡のテレビ局で12年、ディレクターとしてスポーツ中継・ドキュメンタリーを制作し、2026年に独立。現在は「映像制作×AI活用」の二本柱で、企業の映像制作・AI導入の伴走・講演などを行っています。
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▼この番組について
「結果を残した人は、どう自分を更新し続けるのか。」
テレビ局で12年、スポーツ中継とドキュメンタリーを作ってきた映像ディレクター・内藤賢志郎が、アナログな現場仕事とAIのリアルな付き合い方を話す番組です。
#アナログ人間のAIアップデート論





