アナログ人間のAIアップデート論
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#13 独立1年目 帳簿付けゼロ。でも確定申告怖くない
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#13 独立1年目 帳簿付けゼロ。でも確定申告怖くない

税金の計算から、freee×Claude Codeで帳簿を丸ごと自動化するまでの実録

「把握すれば、怖くなくなる。」

テレビ局を、12年やって辞めた。

独立して、もうすぐ4ヶ月になる。

会社員時代、僕は給与明細の総額しか見てなかった。

いくら使って、いくら貯めて、何を削れば節約になるのか。

そんなこと、まともに考えたことがなかった。

節約できる脳みそも、食費を削るくらいしかなかった。

居酒屋を松屋にする、それだけ。

確定拠出年金もやってはいた。

でも辞める時に掛け金を同じくらい払っている人が、

5倍に増えているのを見て、

自分がまったく運用できないプランだったことを知った。

NISAも知らなかった。

怪しいとすら思ってた。

控除の意味も、最近になってようやく腹落ちした。

遅い。

そんな金融リテラシーが赤ちゃんのまま、

僕はずっとサラリーマンをやっていたのだ。


自分できないことをAIに任せてみた

会社を辞めると決めたとき、まずやったのはお金の計算だった。

自分の資産と、辞めたあとに払う税金を、AIに全部計算させた。

貯金。

退職金の見込み。

従業員持株を売った現金。

それが自分の資産の全部だった。

それを元に、もし収入がゼロになったら何ヶ月生きられるか、AIに聞いた。

妻と子供3人、5人家族。

答えは、7ヶ月〜10ヶ月。

一年もたない。

競馬でもやって遊んで暮らしたら、半年で終わる計算だった。

現実的にゼロ収入にはならないだろうとは思いつつも、

この数字が最初のスタートラインになった。


税金周り、いくら取られるの?

社会保険料。

住民税。

個人事業税。

所得税。

消費税。

払うべき税金の種類と総額を、AIが弾き出した。

社会保険は、任意継続という制度を選んだ。

辞めてから2年間、会社の保険をそのまま使える。

上限があって、家族分まとめても国民健康保険より安くなる。

年金は強制的に国民年金に切り替わる。

役所に行って手続きをしないといけない。

最初の1年は免除できる、と役所の窓口で言われた。

マジか。でかい。

払うべき税金の総額がわかったら、

その分をまるごと別口座に移した。

税金用口座、手つけない。

そこから払っていく。

それだけ。

住民税は4回に分けて払えるらしいが、

いちいち持っていくのも面倒だったので、6月に一気に払った。

税金って、得体の知れない怖いものだと思っていた。

ある日突然がっつり持ってかれるみたいな。

でも一個一個分解していくと、急に怖くなくなった。

諦めもつく。

こんくらいか、じゃあこうしよう、と思えるようになる。

国、ふざけんな、と思う人の気持ちも、

この歳になって初めてわかった。

でも、給与明細の総額しか見ていなかった頃の僕は、

絶対に気づけなかったことだ。


脳死で契約書を結ばない

契約書について。

不利な条項をAIに全文読ませて洗い出し、

不動産の仲介手数料もかなり削った。

一個だけ、言っておきたいのは、

後ろ盾のないか弱い個人が、戦う場は、契約を結ぶその前だ。

会社や組織は絶対に揉めた際に不利にならないように、

プロフェッショナルが練りに練って、

読む気も失せるあの膨大な文章を構成してくる。

結んだら絶対に絶対にひっくり返らない。

でも全部読んで理解するなんて、アナログじゃ絶対無理だ。

だからそこにAIを入れる。

自分にとっての交渉材料はどこか?

受け入れてはならない条文はどこか?

希望した条項が盛り込まれているか?

徹底的にAI洗い出させて、交渉のテーブルについた。

結果不動産業者の不可解な手数料は10万程度削れたし、

ある仕事の報酬は倍になった。

世の中はバレないようにリソースを奪っていくんだなと、

独立1年目で、よくわかった。自分を守れるのは自分だけだ。


帳簿付け 経費精算 全自動

ここまでが、独立前にやったお金の下ごしらえ。

正直、この段階のAIの使い方に、アナログもへったくれもない。

ただの計算機として、全振りで使っただけだ。

感動したのは、ここからだった。

独立してからの経費管理。

支払いは現金をやめて、全部カードにした。

事業用のカードはfreee(フリー)という会計ソフトに紐付けて、

個人用のカードはマネーフォワードに紐付けた。

分ける必要が本当にあったのか、実は自分でもよくわかっていない。

気づいたら、そういう形になっていた。

Claude Codeは、この両方にMCPという仕組みで繋がる。

MCPというのは、会計ソフトとAIを繋ぐ仕組みのことだ。

ここが一番大きい。

これも、最近知ったばかりだった。

2月とか3月くらいに、

AIのインフルエンサーがみんな、

確定申告がAIでめちゃくちゃ楽になったという話をしていた。

すごい人はそんなこともやるんだ、と思っていた。

でもまだ会社員だったから、正直ピンと来ていなかった。

今、これまでは、AIとただチャットで相談するだけだった自分が

いざ、MCPで会計ソフトとClaudeCodeを繋いだ瞬間、

エージェントとして勝手に動くようになった。

すさまじい。

マジでびっくりした。

仕組みはこうだ。

カードで払うと、そのデータがfreeeに記録される。

どこで、何を、いくら使ったか。

これまでは、そのデータを自分でひとつひとつ仕分けしないといけなかった。

外注費。

会議費。

交通費。

これはどれで、何日で、みたいなジャンル分けを、全部自分でやる必要があった。

それを今回、一切やらなかった。

全部Claude Codeがやって、わからなかったところだけ質問してきた。

これは何に使いましたか、と。

すごいのはここからだ。

コンピュータユース、

つまりAIが自分でパソコンの画面を実際に動かす機能を使えば、freeeの画面を自分で操作して、入力して、設定して、保存まで、勝手にやってくれる。

freeeは前からダウンロードしていた。

でも、使い方が全くわからなかった。

知らないボタン、知らない用語ばかりで、放置していた。

もう、覚える必要すらない。

おかげで今、自分の売上がいくらで、経費がいくらか、リアルタイムで把握できる。

お金、把握したから何かが変わるわけじゃない。

別に変わらない。

でも把握することで、お金に対する安心感が出る。恐怖は薄れる。

これが、大事だった。

税理士に丸ごと丸投げしている個人事業主もいると聞く。

自分もいずれ、税理士の目を通して確定申告することになる。

でもそこまでの仕分けと、帳簿付けは、今回一切やっていない。

それでも、今のところできている。

さらに、こんなこともあった。

打ち合わせのカフェ代や飲食代を、

うっかり個人用のカードで払っていたことが何度かあった。

間違えた、と思っていた。

でもマネーフォワードもMCPで繋いでいるから、

生活費も含めて全部読み込んでくれる。

勝手に移管して帳簿付けまでやってくれてる。

僕の尻拭いすらやってくれるのだ。

自分は手帳に誰と会ったかをつけているので、

それと突き合わせて「この日のこの支払いは経費計上したい」と伝えたら、できた。

経費候補まで、勝手に出してくる。

もちろんこれは叩き台だ。

最終的には税理士のチェックを通して、確定申告をする。

でも、この叩き台までAIが持ってきてくれることに、変わりはない。

クレジットカードで払って、会計アプリに紐付ける。

その会計アプリとClaude Codeを、MCPで繋ぐ。

これだけで、帳簿付けと経費仕分けの8割くらいは、AIがやってくれる。

これは誰にでもできる。

個人事業主なら誰でもできるし、

これから会社を辞めようという人も、同じようにやればいい。

貯金が減っていくのって、普通に怖い。

でもその怖さは、把握するだけで、少し軽くなる。

去年の僕だったら、絶対にわからないままだった。

レシートは束のままぐちゃぐちゃに混ざって、

これ大丈夫かなと放置していたけど、今はあんまり怖くない。

きっと映像制作も、同じようにMCPで民主化される。

その波に、乗り遅れたら、私は終わる。


▼話している人

内藤賢志郎(ないとう・けんしろう)

福岡のテレビ局で12年、ディレクターとしてスポーツ中継・ドキュメンタリーを制作し、2026年に独立。現在は「映像制作×AI活用」の二本柱で、企業の映像制作・AI導入の伴走・講演などを行っています。

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