「反撃してこない」とわかると人は本性を現す
怒りの矛先はAIに向くのか
「反撃してこない」とわかると人は本性を現す
12年、テレビ局のディレクターをやっていました。
プロ野球の現場にも長くいました。
この2つにはある共通点があるんです。
それは、
「怒りの矛先になっている」
ことです。
うちの父親は、テレビが大好きです。
実家に帰ると、めっちゃ見てます。
で、ずっと文句を言ってるんですよ。
「なんしよっとか」
「この番組はくだらん」
「このタレント好かん」
ずっとブツブツ言ってる。
画面に向かって。
だけど見る。
この矛盾は昔から変わっていません。
テレビ局時代、
視聴者からのクレームのメールをよく見ていました。
そこにはもう、ものすごい怒りが書かれていました。
野球中継を途中でうち切った怒り。
野球中継のせいで見たかったバラエティが見れなかった怒り。
事実関係を間違っていた怒り。
ボロクソ書いてあることがほとんどです。
時には存在を否定されて。
内容はさまざまです。
出演者への嫌悪感、
字幕やナレーション、
数秒の1カット、
放送する時間帯に至るまで。
それを見て、直せるところは直す。
改善に向けて努力する。
そんな日々でした。
同時にこう思うようになりました。
「テレビってそういうもの」
無料で見られて。
反論もしてこない。
それがテレビ。
テレビが悪いとか、
視聴者が悪いとかそういう話じゃないです。
もうしかしたら、鬱憤をぶつける「装置」として、
テレビは設定存在してるのかな、と。
そんな仮説です。
日々のイライラを、
誰にも言えない不満を、
モヤモヤした感情を、
ぶつける先として。
プロ野球も、似たようなところあります。
球場に行くと、
もうめちゃくちゃ言ってる人もいます。
スタンドからのヤジは、
よっぽど近くないと選手には届かない。
ベンチの監督にも届かない。
「あのバッティングはないやろ」
「なんでバントなんや」
「なんで初球から振らんのや」
「投手交代が遅い」
「監督の采配がおかしい」
好きであるがゆえに、
応援するチームの選手や監督にきつく当たる。
勝って気分よく帰りたいから感情的になる。
そういう気持ちがあるのはわかります。
でもベースにあるのは、
やっぱり「言い返してこない」と確信しているからだと思うんですよね。
ネット、SNSでもそう。
匿名で選手や監督が言い返せない土台があるから、言える。
やはり、反撃がない環境で、人間の本性は剥き出しになります。
テレビとプロ野球は、その受け皿として機能している。
そう思うようになりました。
ほぼ毎日ありますしね。
何度も言いますが、
それがいいとか悪いとかじゃないです。
そういう装置として、たぶん、一定存在している。
で、ここからが本題。
もし人々がテレビを見なくなっていった場合の
ヘイトの向かう先はどこか?
無論ネット、そしてA Iだと思います。
最近、AIがその装置を引き継ぎ始めている気がするんですよね。
なぜなら反撃してこないから。
強くいうとすぐ謝るようにプログラムされているから。
僕は普段、Claude Codeとめちゃくちゃ会話をしてます。
仕事はほぼ全部、AIと話しながら進めている。
それで、たまに精度の悪い答えが返ってくるじゃないですか。
恥ずかしいんですけど、ボロクソに言ったことがあります。
「これさっき言ったやろ」
「何回同じこと言わせるんや」
「使えんな」
そしたら、向こうはこう返してくるんですよ。
「申し訳ございません」
「おっしゃる通りです」
「ご指摘ありがとうございます」
腰、低めじゃないですか。
めちゃくちゃ謝ってくる。
これね、自分のこと、ちょっと嫌いになりました。
普段そんな感じで文句言うことあまりないんですよ。
だって喧嘩になるか嫌われるかじゃないですか。
でも、相手が反撃してこないってわかった瞬間。
理不尽なまでに、ボロクソ言うんですよね、人間って。
これ、僕だけじゃないと思います。
父親がテレビに怒鳴っているのと、
スタンドのおっさんが選手に怒鳴っているのと、
僕がAIにボロクソ言っているのは、
本質的には同じです。
そして
「反撃してこない装置」に、人は、本気で殴りかかる。
AIは人間がぶつけてきた感情を、ぜんぶ学んでいく。
蓄積されていく。
それを溜め込んだAIが、これからチャットで答えるだけじゃなくて、
資料を作ったり、映像を作ったり、判断を下したりしていく。
人々の負の感情を全部ナレッジ化して、
資産として持ってるAIに、
僕は仕事を任せたくないなと思ったわけです。
どうせ会話するなら、
人生にとってプラスになる会話を、いっぱいしたい。
その会話が資産になって、AIが組み上げていく。
仕事に、生活に、家族に、AIが返してくれる。
そっちの未来であってほしい。
とにかくここから先は、
日々良い会話をしていきたいですね。
最後まで読んでいただいてありがとうございました。
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