AI導入を阻むもの 効率化の先に何がある?
AI導入が進まない、3つの人間くさい理由。
「これからはAIの時代だ。」
どんな分野のどんな年代の人に聞いても、
結論は概ね変わらない。
「早く使いこなすべし」
「AIは必須スキルだ」
「海外では当たり前」
「使えないと乗り遅れる」
その感覚は、漠然とであっても、皆持っている。
それくらい、この半年間で起こったパラダイムシフトは
すさまじい。
人間が積み上げたスキルや知見を粉砕するような
出来事が、僕の周りでは起きている。
それでもなお、
それなりの企業において、
AIの導入は進まない。
進んだとしても、緩やかだ。
いろんな企業の人と話して、
それを確信した。
それは会社のせいなのか?
上層部の経営判断?
いや、もっと根深い。
そんなわかりやすいもんじゃない。
原因はきっと人間ひとりひとりの根幹。
マインドの根っこの部分にある。
それは一体、なんだろう?
日常を壊してまで、やりたいことってあるのか?
AIが本格的に導入されると、
忙しいからできないが通用しなくなる。
資料作成、
台本作成、
パワポ、
サムネ画像、
構成案、
リサーチ、
文字起こし。
この辺はもはや人間が手を動かしてやる時代じゃない。
それは以前書いた通り。
https://note.com/kenshi_story/n/n5e9855dd3787
これらをAIに任せて、修正させて学習させる。
このサイクルが回りだすと、「残業」は確実に減る。
ほぼ1日かけてやっていた業務を
やらなくて済むようになるから。
会社にとっては、おそらくいいこと。
だが「残業」がなくなったら困る人もいるのも事実。
うまく残業を活用することによって、
理想の年収を手に入れている人間も一定数いるのだ。
そこでは「生産性の差」は議論されない。
残業代は、いつのまにか生活の一部になる。
家のローン、子どもの習い事、毎月の固定費。
それを支えているのが、「定時で帰らない」という選択だったりする。
その彼らの日常を、もしAIが壊すとしたら、
全力で導入を阻む人はいる。
それは想像できる。
今の日常を破壊して、成し遂げたいことがあるか?
今の日常を変えてまで、ライフスタイルを変える覚悟はあるか?
ここまで設計しないと、「便利だから」では導入は進まない。
仕事を属人化して、立場を守りたい
こういう人たちにとって、AI導入は邪魔である。
なぜなら自分が今の仕事をAIに代替されたら、
立場そのものが危うくなるから。
「あの人の仕事もうAIでいいじゃん」
この問題は末端の人間よりむしろ、
デスクや中間管理職といった「中年世代」を
直撃する。
上層部の意思や情報をいち早く占有し、
仕事自体はできる奴に丸投げし、
適当に上から指示してマウントとって、
成功したら評価報酬GET。
ミスったら、その時は、、、
こんな働き方で一定の地位を築いた人にとって、
AIは脅威、というより邪魔である。
仕事を奪われるというより、
権威を奪われる感覚に近い。
この恐怖から、
今座っている椅子を、全力で守りにいく。
これまでのやり方で、
これからもマウントを取り続けるために。
と、偉そうに書いている自分も、
属人化であぐらかいていた時期はある。
テレビ局で12年も同じ部署で働き続ければ、
基本的に仕事において口出しされなくなる。
否定されることもほとんどなくなる。
その立場を、居心地の良い空間を、
全力で守りにいく可能性は、あったと思う。
AI時代は「人間力」によって差別化されていく。
自分が12年間で磨いたスキルなんて、
AIから言わせれば再現可能なただの「一例」。
スキルだけの人間は、そんな世界をきっと許さない。
学ぶべき若年層は、旧来の方法で疲弊している
これからを担う若手たちは、必死に学んでいるか?
答えはNOだと思う。
単純にそんな余裕がない。
20代なんて、覚えなきゃいけないことが山ほどあるし、
自分と関係ない仕事も気づいたら降ってきてるし、
あんまり残業しちゃいけない雰囲気を上から出されるし、
だけど早く結果出したいから、それら全てを飲み込んで
前に進んでる。ポジティブな気分になる方が難しい。
だけど必死に学んでいる「業界の常識」や「会社のルール」は、
すでにAIに代替されている可能性は否めない。
だけどそんな疑問すら消えていくほど、
日々に疲れている。
その構造自体を変える気力も体力も、残ってない。
故に一番革命を起こすべき若年層が、
これまでのやり方で忙殺されて生きている。
そして彼らももれなく、「残業代」によって支えられていたりする。
ここがまた、難しい。
効率化の先に、何を見る?
AI導入はすぐには進まない。
知らない、
よくわからないだけではなく、
もっと複雑で、もっと人間らしい理由によって。
だから、人間自身をアップデートするしかない。
これが結論。
人間自身の考え方や、組織の在り方を見直して、
その為のブースト装置として、AIを導入する。
考え方、理念が先。
大事なのは効率化の先に、何を見るか?
作業をしない代わりに、人は何に時間を割くか?
・浮いた時間で、人脈を作ろう。
・いい企画書のために、日々のインプットを増やそう。
・成果物のために、日々の会話の質を上げよう。
・無駄な会議を撲滅して、資料はAIに作らせよう。
・さっさと終わらせて、子どもとの時間を大事にしよう。
こんなイメージを持てるかどうか。
決して効率化が目的になっちゃだめだ。
人生を豊かにする為のビジョンがないと
AIは「考えない」スキルだけの人間を、
静かに駆逐していく。
最後はやっぱり、人間の心
どんな時も、相手は「AIそのもの」ではなく、「人間の心」。
残業代も、属人化も、疲弊も、その奥にあるのは、
「多少不満だけど、明日も今日と同じでいい」っていう、
一種の諦めだったりする。
だから変えるのは、
働き方というより、考え方。
「効率化しろ」じゃなくて、
「で、空いた時間で何する?」
その問いに自分なりの答えを持っている人から、
AIを使いこなしていく。
一旦はそう信じて、
しゃべるだけで終わるAI活用を実践していこう。


